ハマー姉妹のような女性のトロンボーン・デュオはぼくの知る限りはじめてだ。しかも二人そろってとてもうまいので、いうことなしだ。
2トロンボーンといえば、いやでもJ&Kを思い出すが、ハマー姉妹の演奏はもっとわかりやすくて、エンターテイメントがあって親しみやすい。そしてそのサウンドというか音色は、女性が吹いているという先入観があるかもしれないが、ぼくにはとても艶っぽく聴こえて、いっそうほれこんでしまったのである。その上、ミミ･ペターソンは歌まで歌うのだ。これがまたいけるときている。男性のトップ・プレイヤーにひけをとらないうまさだが、歌の方は女性の情感にあふれていて、しっとりとしたところもあり、シンガーとしても十分に通用する実力の持ち主であることがわかる。
トロンボーンがうまくて、その上すてきな歌まで歌えるとあっては鬼に金棒である。
岩浪 洋三
