【ライナーノーツ抜粋】
休日。いつもより遅くに起きて、熱い紅茶でも飲みながら、こんな音楽に浸れたら……。それはまさに至福だろう。そこに陽が射しこんでいたりでもしたら、僕はきっと思わず呟いてしまうに違いない。「ああ、いい日だな〜」「人生、なかなかだな」なんて。ザ・リアル・グループの音楽はそんなふうに、僕たち私たちの日常に"ちょっとしたハッピー"をもたらしてくれる。
今年５月にようやく初来日を果たした彼らのステージを僕は観て、すっかりやられてしまった。曲が進むに連れてグイグイ引き込まれ、本編が終わると夢中でアンコールを求める拍手をしていた。ハーモニーが美しく、優雅で、粋で、ステージ運びのテンポもセンスもいい。何より圧倒的に楽しいのである。12枚目となるアルバム『イン・ザ・ミドル・オブ・ライフ』は、初来日公演と時を同じくして日本盤でもリリースされ、「こんなグループがあったのか」と多くの音楽好きたちの間で話題になった。ようやくここ日本で、彼らの名前が話題にのぼり始めたのだ。そして、それに続く本作『ポップ・コレクション』によって、ザ・リアル・グループの魅力はさらに大きな輪を描きながら、たくさんの人に認知されていくだろう。いや、そうならなくてはおかしいと、僕は思っている。
内本順一
